UPS
UPS(無停電電源装置)は、停電になってもしばらくの間であれば Synology NAS を作動し続けられるバックアップ用電源装置です。この機能は、[コントロール パネル] > [ハードウェアと電源] > [UPS] にあり、電源が切れてシャットダウンしてしまう前に Synology NAS がデータを保存し、ボリュームをアンマウントするのに十分な時間を与えることで、データの消失を防止します。
スタンバイモード
Synology NAS がスタンバイに入ると、UPS から電力が供給されている間にすべてのサービスを停止してボリュームをアンマウントします。このようにしてデータの消失を防止し、安全にシャットダウンします。デフォルトでは、UPS 装置の電力が残り少なくなるとシステムがスタンバイモードに入ります。また、停電時に Synology NAS がスタンバイモードに入るまでの時間を指定することもできます。ただし、指定した時間に達する前に UPS 装置の残量が少なくなると、システムは即座にスタンバイモードに入ります。
Synology NAS がスタンバイモードでシャットダウンした場合、[停電後自動的に再起動する] オプション([コントロール パネル] > [ハードウェアと電源] > [全般])が選択されていると、電源が復帰すると自動的にオンになります。
USB UPS サポート
USB UPS は、USB ポートと Synology NAS を接続するバックアップ電源装置です。UPS 装置のインストールについては、装置の取扱説明書をお読みください。インストールが完了し、Synology NAS を UPS 装置に接続したら、次の手順に従って UPS サポートを有効にしてください。
USB UPS サポートを有効にする:
- USB UPS 装置をSynology NAS の USB ポートに接続します。
- [UPS] タブで、[UPS サポートを有効にする] のチェックボックスを選択します。
- [UPS のタイプ] ドロップダウン メニューから [USB UPS] を選択します。
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[Synology NAS がスタンバイモードになるまでの時間] で、電源の故障が発生した時に、Synology NAS がスタンバイモードになるまでの時間を選択します。
- バッテリ残量が低になるまで:UPS のバッテリ残量が低になると、Synology NAS が自動的にスタンバイモードに切り替わります。
- 時間を設定:電源の故障の発生時に Synology NAS がスタンバイモードに入るタイミングを指定できます。数値を入力してから、ドロップダウン メニューから [秒]、[分]、または [時間] を選択します。
注:選択したオプションに関わらず、電源が低になると、Synology NAS は自動的にスタンバイモードに切り替わります。
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システムがスタンドバイ モードに入ったら、UPS をシャットダウンする場合、[システムがスタンバイ モードに入ったときに UPS をシャットダウン] にチェックを入れます。
- このオプションを有効にした場合、Synology NAS は電源の損失により直ちにシャットダウンされます。
- このオプションを有効にした場合は、[コントローラ パネル] > [ハードウェアと電源] > [全般] で [停電後自動的に再起動する] チェックボックスにマークを付けて、電源回復時に Synology NAS が自動的に再起動されるようにしてください。
- UPS 電源オフ機能はブランドとモデルによって変わります。一部の UPS デバイス は DSM によるシャットダウンをサポートしません。生産環境で UPS を使用する前に、UPS が予想通りに機能するかどうかを判断するために停電シミュレーション テストを行なってください。テストを行うには、[システムがスタンバイ モードに入ったときに UPS をシャットダウン] にチェックを入れ、[適用] をクリックして手動で UPS の電源ケーブルを取り外します。
- この Synology NAS が USB UPS に接続され、ネットワーク UPS サーバーとして機能する場合は、[ネットワーク UPS サーバーを有効にする]チェックボックスにマークを付けます。[許可された Synology NAS デバイス] をクリックして、この UPS への接続を許可するすべての Synology NAS デバイスの IP アドレスを入力します。
- USB UPS デバイスの詳細については、[デバイス情報] をクリックしてください。
- [適用] をクリックします。
SNMP UPS サポート
SNMP UPS は、SNMP と Synology NAS を接続するバックアップ電源装置です。SNMP UPS 装置のインストールについては、装置の取扱説明書をお読みください。Synology NAS を装置に接続し、同じネットワークに繋いだら、次の手順に従って UPS サポートを有効にしてください。
SNMP UPS サポートを有効にする:
- [UPS] タブで、[UPS サポートを有効にする] のチェックボックスを選択します。
- [UPS のタイプ] ドロップダウン メニューから [SNMP UPS] を選択します。
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[Synology NAS がスタンバイモードになるまでの時間] で、電源の故障が発生した時に、Synology NAS がスタンバイモードになるまでの時間を選択します。
- バッテリ残量が低になるまで:UPS のバッテリ残量が低になると、Synology NAS が自動的にスタンバイモードに切り替わります。
- 時間を設定:電源の故障の発生時に Synology NAS がスタンバイモードに入るタイミングを指定できます。数値を入力してから、ドロップダウン メニューから [秒]、[分]、または [時間] を選択します。
注:選択したオプションに関わらず、電源が低になると、Synology NAS は自動的にスタンバイモードに切り替わります。
- [SNMP UPS IP アドレス] 欄で SNMP UPS デバイスの IP アドレスを入力します。
- ドロップダウンメニューから [SNMP MIB] を選択します。
- ドロップダウンメニューから [SNMP バージョン] を選択します。
- [SNMP コミュニティ] 欄に、SNMP UPS 装置のコミュニティ ストリングを入力します。
- この Synology NAS が SNMP に接続され、ネットワーク UPS サーバーとして機能する場合は、[ネットワーク UPS サーバーを有効にする]チェックボックスにマークを付けます。[許可された Synology NAS デバイス] をクリックして、この UPS への接続を許可するすべての Synology NAS デバイスの IP アドレスを入力します。
- [適用] をクリックします。
注:
- Synology High Availability (SHA) の導入の際は、SNMP UPS をお使いになることを強くお薦めします。
- Synology NAS は SNMPv1、SNMPv2c、および SNMPv3 UPS のデバイスをサポートします。
Synology UPS サーバー
USB ポートまたはネットワークを介して UPS デバイスに接続されている 1 つの Synology 製品を持つ UPS デバイスを使用する Synology 製品が複数ある場合、USB またはネットワーク経由で接続されている Synology NAS のみが、UPS デバイスの状態に関する情報を取得できます。この場合、この Synology NAS は「ネットワーク UPS サーバー」として機能します。ネットワーク UPS サーバーは UPS 情報を取得して、クライアント Synology NAS にその情報を引き渡します。
Synology UPS サーバーを有効にする:
- UPS 装置(USB またはネットワーク経由)に繋いでいる Synology NAS にログインします。
- [UPS] タブで [ネットワーク UPS サーバーを有効にする] チェックボックスをチェックし、Synology NAS がクライアントの Synology NAS に UPS 情報を引き渡せるようにしてください。
- [許可された Synology NAS デバイス] ボタンをクリックします。
- 表示されるウィンドウで、クライアント Synology NASの IP アドレスを入力します。[OK] をクリックします。
- [適用] をクリックして設定を保存します。
これでネットワーク UPS サーバーが UPS 情報を取得し、UPS 装置を使用しているクライアント Synology NAS に情報を引き渡すことができます。クライアント Synology NAS で UPS サポートを有効にする手順については、下記の説明をお読みください。
クライアントの Synology NAS で UPS サポートを有効にする:
- UPS 装置を使用しているが、USB またはネットワークに接続されていないクライアント Synology NAS にログインします。
- [UPS] タブで、[UPS サポートを有効にする] のチェックボックスを選択します。
- [UPS のタイプ] ドロップダウン メニューから [Synology UPS サーバー] を選択します。
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[Synology NAS がスタンバイモードになるまでの時間] で、電源の故障が発生した時に、Synology NAS がスタンバイモードになるまでの時間を選択します。
- サーバーに合わせる:このオプションは、サーバーがシャットダウンされると Synology 製品をシャットダウンします。
- 時間を設定:電源の故障の発生時に Synology NAS がスタンバイモードに入るタイミングを指定できます。数値を入力してから、ドロップダウン メニューから [秒]、[分]、または [時間] を選択します。
注:選択したオプションに関わらず、電源が低になると、Synology NAS は自動的にスタンバイモードに切り替わります。
- ネットワーク UPS サーバーIPフィールドに ネットワーク UPS サーバーの IP アドレスを入力します。
- [適用] をクリックして設定を保存します。
ネットワーク UPS の必要条件:
- UPS 装置の情報をリレーできるように、すべての Synology NAS が同じネットワークに繋がれていなければなりません。
- 各 Synology NAS を接続するネットワーク装置(スイッチやハブなど)は、同じ UPS 装置に繋いでください。そうしなければ、Synology NAS が停電時に UPS 装置の情報をリレーすることができません。