共有フォルダの同期

共有フォルダの同期は一方向の同期ソリューションで、LAN 内またはインターネットを介してユーザーが共有フォルダを1つの Synology NAS デバイス(同期元)から別の Synology NAS デバイス(同期先)へ同期することができるようにします。

初めて同期タスクを実行するときには、共有フォルダの同期は選択した共有フォルダを完全同期します。その後は、変更したファイルだけが同期されます。ソースから削除されたファイルは保存先からも削除されます。

注:

  • デフォルトにより、同期先の同期共有フォルダにアクセスする権限を持つユーザーはいません。アクセス権限を有効にするには、同期先の Synology NAS 管理者にお問い合わせください。
  • 同期先 Synology NAS 上で同期された共有フォルダに名前を付ける:
    • 同期先に同期元 (例えば「SharedFolder」) と同じ名前を持ったフォルダがなければ、同じ名前 (「SharedFolder」) を持った新しいフォルダが最初の利用可能なボリュームに自動的に作成されます。
    • 同期先に同期元と同じ名前のフォルダがある場合 (例えば、両方とも SharedFolder になっている)、同期先の元のフォルダは下線に番号を付けて改名されます (例えば、SharedFolder_1)。別のフォルダ (「SharedFolder」) が同期先に作成されます。同期元のフォルダ (「SharedFolder」) のコンテンツは、同期先に新しく作成されたフォルダ (「SharedFolder」) に同期されます。
  • 双方向同期ソリューションについては、Synology Drive ShareSync を参照してください。

必要な設定

同期タスクを正常にセットアップするため、以下の設定を最初に構成してください。

  • 同期元と同期先の Synology NAS の サーバー名が異なることを確かめてください。それらが同じである場合、どちらかの Synology NAS を[コントロール パネル] > [ネットワーク] > [全般] > [サーバー名] で修正することができます。
  • インターネット上で同期するには、共有フォルダの同期のためにポート転送規則を構成してください。デフォルト ポートは暗号化された転送の場合は22で、非暗号化の転送の場合は873です。

サービスを有効にする

共有フォルダの同期を有効にする:

先に同期先 Synology NAS でこのサービスを有効にする必要があります。

  1. [コントロール パネル] > [ファイルサービス] > [rsync] の順に移動します。
  2. [rsync サービスを有効にする] にチェックマークを付けます。
  3. [適用] をクリックします。

複数の同期元から同期

複数の同期元フォルダを同じ同期先フォルダに同期したい場合、すべての同期元フォルダの名前が違うようにしてください。同期の競合を避けるため、同期元フォルダのうちの1つを改名してください。

新しい同期元から同じ同期先フォルダに同期

同じ同期先フォルダへ同じ名前を持った複数の同期元フォルダを同期すると、競合が生じます。最初に元の同期元フォルダのリンクを解除する必要があります。同期元フォルダのリンクを解除しても、同期先フォルダのデータは削除されません。

  1. 同期先の Synology NAS にログインし、[コントロール パネル] > [ファイル サービス] > [詳細設定] > [共有フォルダの同期] > [接続リスト] の順に進みます。
  2. 同期元の Synology NAS から競合している接続を選択し、[リンク解除] をクリックしてそれを削除してください。

元の同期元フォルダのリンクを解除した後で、新しい同期元フォルダで新しい同期タスクを作成して、全面的な同期を行なってください。

同期タスクの管理

同期タスクを作成する:

  1. 同期元の Synology NAS にログインし、[コントロール パネル] > [ファイル サービス] > [詳細設定] > [共有フォルダの同期] > [タスク リスト] の順に進みます。
  2. [作成]をクリックします。
  3. タスクの名前を入力し、[次へ] をクリックします。
    • タスク名は1から32のUnicode文字で設定し、次の文字を使用することはできません:
      ! " # $ % & ' ( ) * + , / : ; < = > ? @ [ ] \ ^ ` { } | ~
  4. 同期先と同期したい共有フォルダを選択します。免責条項を承諾して、[次へ] をクリックします。
    • 最良のパフォーマンスのため、当社は各同期タスクにつき200以上の共有フォルダを含まないようにすることを推奨します。
  5. 同期先 Synology NAS の IP アドレス/サーバー名を入力して、管理者グループに属するユーザーの資格情報でサインインしてください。
    • インターネット上で同期する場合、同期先 Synology NAS の外部 IP アドレスまたはサーバー名を入力することができます。ただし、サーバー名を入力する場合は、名前は「www.synology.com」などのように、FQDN (Fully Qualified Domain Name) フォーマットで入力しなければなりません。
  6. ニーズに適した同期オプションを選択して、[次へ] をクリックしてください。
    • 暗号化共有フォルダを同期するための SSH 暗号化ポートをカスタマイズする:SSH 転送暗号化を行うために、任意の暗号化ポートを指定します。
    • SSH 転送時の暗号化を有効にする:このオプションは、転送中にデータを暗号化します。暗号化転送は安全面に優れ、非暗号化転送では性能が高くなります。必要に応じて選択することができます。
    • 転送時の圧縮を有効にする:このオプションは転送中にデータを圧縮します。ネットワークの帯域は節約できますが、CPU の負荷が高くなります。
    • ブロックレベルの同期を有効にする:このオプションを有効化し、ファイル全体ではなく、変更があったデータだけを転送します。ネットワークの帯域は節約できますが、CPU の負荷が高くなります。
    • リモートのマウントされたフォルダを同期:CIFS 共有フォルダおよび NFS 共有フォルダを含むリモートでマウントされたフォルダを同期します。
  7. 同期元から同期先へいつ同期するのかを選択して、[次へ]をクリックします。
    • 変更時に同期する:同期元の共有フォルダに変更が加えられると、直ちに同期を行います。
    • 手動で同期:同期元の共有フォルダから手動でタスクを同期してください。
    • 詳細スケジュール[スケジュール計画]をクリックして、同期タスクを実行する日時を指定します。選択した共有フォルダに変更が加えられていなければ、スケジュールされたタスクは指定した時間に実行されません。
  8. タスク設定をレビューして、[完了] をクリックしてください。同期タスクがタスク リストに現われて、指定されたスケジュールに従って実行されます。

同期タスクを管理する:

  1. 同期元の Synology NAS で [コントロール パネル] > [ファイル サービス] > [詳細設定] > [共有フォルダの同期] > [タスク リスト] の順に進み、タスクを選択します。
  2. 以下のいずれかを行います。
    • タスクを編集するには[編集]をクリックします。
    • スクを削除するには[削除]をクリックします。
    • 同期タスクを実行中に停止するには、[キャンセル] をクリックします。[修正に同期を実行] の同期タスクを [キャンセル] すると進行中の同期タスクが停止することにご注意ください。ただし、同期タスクが監視する共有フォルダのコンテンツに変更が加えられた場合は、共有フォルダの同期がタスクを再開します。
    • タスクが実行されない場合は、[今すぐ同期する] をクリックしてタスクを実行します。
    • すべてのデータを同期するには[完全同期]をクリックします。共有フォルダの同期が初回は完全同期を行い、それ以降は変更された部分だけが同期されます。このボタンをクリックすると、再びすべてのデータを手動で同期することができます。

注:

  1. ファイル システムとストレージ:
    • 共有フォルダを ext4 から ext3 までのファイル システムで共有する場合は、タスクに 32,000 個以上のフォルダおよびサブフォルダがあると、エラーが発生する場合があります。
    • バックアップ先のファイル システムが ext4 または Btrfs の場合は、共有フォルダの同期は Windows ACL 設定を同期します。
    • 共有フォルダの同期は外部ストレージ デバイスには対応していません。
    • Btrfs (Peta Volume) ファイル システムが暗号化された共有フォルダに対応していません。
  2. [コントロール パネル] > [共有フォルダ] > [編集] > [高度な権限] > [高度な共有権限] の高度な共有権限で:
    • 同期元の高度な共有権限は、同期先には同期されません。
    • 共有フォルダの同期の機能を確保するため、管理者グループ向けの読み取り専用規則は同期先で作成されます。また、同期タスクが初めて実行されると、システムは同期先の現在のユーザー アカウントにある高度な共有フォルダ権限を [読み取り専用] に変えます。権限設定はその後の同期で変更されません。
  3. 共有フォルダ:
    • 同期先の共有フォルダが、以前に他の Synology NAS と同期されている場合、共有フォルダの同期はタスクに対して全面的な同期を行います。
    • タスクが暗号化された共有フォルダを含んでいる場合、タスクが実行された時に、フォルダは同期先に自動的にマウントされます。しかし、内部のデータにアクセスするには、暗号化された共有フォルダを最初に同期先にマウントしなければなりません。
    • 共有フォルダの同期は、#recycle フォルダを同期しませんが、それが同期元中の暗号化されたフォルダ内にある場合を除きます。
    • 共有フォルダの同期は Docker 共有フォルダの修正を検出できません。したがって、このタスクに [修正に同期を実行] オプションを選んだとしても、このフォルダが自動的に同期されることはありません。
    • homes 共有フォルダがタスクに含まれている場合、User Home 機能は同期先で無効化されます。
  4. エラー コードのある同期問題をトラブルシューティングするには、この記事を参照してください。

必要な設定
サービスを有効にする
複数の同期元から同期
新しい同期元から同じ同期先フォルダに同期
同期タスクの管理