導入された Presto File Server の高速かつ安定した転送速度には非常に満足しており、以前の転送ツールは使われなくなりました。そして VDSM の配備と Btrfs ファイルシステムサポート面での柔軟性のおかげで、すべてのサービスを高いストレージ効率でひとつのサーバーに集約することができました。これこそが真のオールインワンソリューションでしょう。 Josef Barak、Blue Sky Film Distribution a.s. CIO/CTO

会社

Blue Sky は、米国およびアフリカに支店をもちグローバルに展開している垂直統合型のフィルム配給会社です。同社は主に大手フィルムスタジオや、独立のプロデューサーやディレクターといったコンテンツクリエイターと協業しています。Blue Sky は、世界中に数千社の顧客をもち、顧客に対し映画やフィルムフェスティバル、iTunes、Google Play、YouTube、Microsoft Xbox、Amazon Prime などのオンラインライブラリといったコンテンツを提供するという重要な役割を果たしています。

そういったパートナーシップの中で、Blue Sky は、コンテンツを iTunes 向けの正しいフォーマットにする「Apple iTunes アグリゲータ」トップ 50 のひとつとして知られていると同時に、Apple の品質基準の合格率 90% 以上を誇る品質でコンテンツを提供する「エンコーディングハウス」としても承認されている世界でも数少ない制作プロダクションとして、Blue Sky は iTunes に作品を配信するアーティストや著作権者からパートナーとして国際的に信頼されています。

                    

課題

データ交換を高速化したいというニーズは万国共通で、DCP (デジタルシネマパッケージ) として知られる業界標準の映画パッケージは通常 50 から 150 GB にもなるため、一般的なツールでの国をまたいだ転送は実際的ではありません。その上、データ転送加速化ソリューションをもっているパートナーの数は限られ、Blue Sky のパートナーも大半がもっていません。

また、パートナーのプライバシー設定と転送プロトコルに関する IT の制限はさまざまで、Blue Sky はそれぞれに対応するツールの仕様に合わせるためにあちこちに散らばったストレージに対してデータを配信したりそこから収集する必要があり、パートナーに応じた種々の権限設定の管理やそれぞれのライセンスの維持管理が複雑になり、ストレージに対して余計な時間や費用がかかってしまいます。企業がひとつのファイルを別のパートナーに渡す必要がある場合、同じファイルの複数コピーが必要となり、冗長となることが避けられず、ファイルの確認の手間もかかります。


そのため Blue Sky は従来適用していたものに代わる新しいソリューションを探していました。

基本的な条件は、ファイルの一貫性を確保するためにさまざまなインターネット状況の中での転送を高速で連続的に、再開可能な形で行う機能でした。

また、新しいツールは、パートナーごとで異なるプライバシー設定と転送プロトコルに関する IT の制限や限界に応じて異なる物理環境あるいは仮想環境に適合する柔軟性も必要でした。

特に、集中化と管理のしやすさが重要です。

ソリューション

「Synology 製品を長年利用してよい経験ができました。そして Synology が大容量のファイル転送を安定して行える Presto File Server を発表したことはとてもよいことです。」と、Josef は語ります。

今回、Blue Sky は 12 台の 10TB HDD で RAID 6 を構成する RS3617xs を一台購入し、 Blue Sky が必要な別の目的のための 6 台の完全に分離された仮想インスタンスを、MPAA (Motion Picture Association of America、アメリカ映画協会) のセキュリテイ規則に合致する自身の VLAN により、そのデバイス上で動作している仮想 DSM 上に構築します。

4 つのインスタンスが内部利用のための VPN サービスと集中ストレージを含む内部サービスを管理している間、Presto File Server と 300 Mbps ライセンスが、すべてのパートナーがそれぞれ独立したデータの入ったフォルダとアカウント認証情報をもつ 6 つのインスタンスにインストールされ、デプロイされます。現在 Blue Sky はコンテンツをひとつのサーバーで多くのパートナーに同時に配信できるようになりました。Synology NAS で有効にされた Btrfs ファイルシステムのおかげで、Blue Sky が必要なのは同じファイルのひとつの物理コピーだけになり、空いた容量をさらにコンテンツに使えるようになりました。

次に Blue Sky は、ユーザーフレンドリーな Presto デスクトップクライアントのインストーラーと共にパートナーに彼らのログイン認証情報と利用できる更新された転送オプションを電子メールで送ります。パートナーにそのためのトレーニングは不要です。接続ステータス、転送動作、リソース制御のすべては、サーバー上に集中化されたパネルで監視および管理ができます。

さらにデータ保護を強化するために、Blue Sky は Hyper Backup を活用して毎晩 Rs3617xs を DS1513+ にバックアップし、災害発生時にも最新バージョンのデータがアクセスできるようにします。


利点

実証された Presto File Server の高速なファイル転送性能は Blue Sky に与えられていた以前のソリューションを置き換えました。

Presto File Server License の仮想環境でのデプロイにおける機能を得ることで、Blue Sky はようやくすべてのサービスを一台のサーバーに集約することができ、そこでユーザー権限の管理も集約されて一貫性のあるものとなり、海外に躍進していく中で技術的な問題に対して Blue Sky とそのパートナーが費やす時間や労力、およびそういった機会そのものが減りました。さらに、Presto File Server は、Blue Sky が同社の成長に合わせて帯域を容易に増やすことができる柔軟なライセンシングポリシーを提供します。


Btrfs のスナップショットとコピーオンライトが保存されるデータ量を効果的に削減しワークロードを大きく効率化し、Btrfs ファイルシステムをサポートする集中化ストレージは Blue Sky に対し、不要な冗長性によるストレージの利用を削減するきっかけを与えました。

Synology による広範なトータルデータソリューションは、Blue Sky に対し以前使用していた転送アクセラレータに比べて 60% ものコスト削減をもたらしました。

最終的に Blue Sky は MITRE Corporation によって CNA (CVE Numbering Authority) として認定され、Synology のデータセキュリティ機能から大きな恩恵を受けることと。なりました。Blue Sky は、展開する技術とソリューションによるセキュリテイ上の潜在的な脅威に強い関心をもっていました。「自身の脆弱性の CVE ID を割り当てることはセキュリテイ上の問題を真剣に考えるベンダーには欠かせないものです。」と、Blue Sky のセキュリテイ専門家である Mr. Tuček は言います。


推獎モデル

  • RS3617xs

推奨機能

  • Presto File Server
  • ストレージの効率性を高め、TCOを低減
  • ひとつのストレージに集約してハードウェア費用を節約
  • Btrfs コピーオンライト (CoW) 機能で空き領域を節約
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