トヨタモーターベトナム、Synologyのバックアップソリューションでビジネスの継続性を確保

Synology のストレージソリューションにより、当社のビジネスの回復力が向上しました。信頼性が高く、安全であり、増大するビジネスデータに対して将来も保証される拡張性を提供してくれます

トヨタベトナムの IT マネージャー、Cao Duc Binh氏

課題

急速な拡大と増大するデータストレージ需要が、莫大な財政的負担をもたらす

トヨタは世界有数のメーカーとして、長年にわたって着実に事業を拡大してきました。ベトナムでは東南アジアの主要な自動車製造工場の1つを運営しており、年間数万台の自動車を生産しています。

この生産規模の拡大により、運用サービスと重要なデータのバックアップのためにより多くのデータストレージが必要になりました。しかし、IT システムの容量が数百テラバイトに増加するにつれて、その拡張は企業にとって顕著な財務的負担となっていました。

大規模なリカバリに効果が薄いテープバックアップ

さらに、かつてテープバックアップはその隔離性と改善に対する耐性が大きく評価されていましたが、増加するトヨタのニーズに対してはあまり効果的ではありませんでした。大規模なデータの管理とリカバリが非現実的となり、ITチームに対して手作業による負担を増加させました。

強固でコスト効率の高い災害復旧ソリューションが必要

トヨタ・モーター・ベトナムは予期せぬ事態からデータを隔離し保護するためだけではなく、事業の継続を維持できる迅速なシステムリカバリを可能にするソリューションを求めていました。これにより、生産システムの継続的な稼働を保証し、市場における評判とその地位を確保することができます。

ソリューション

重要なデータと運用データのための包括的なバックアップ戦略

構成図

市場の様々なプロバイダーの選択肢を評価した後、トヨタは自社のデータ保護戦略を強化するためにSynologyのSA、UC、RSシリーズ、及びActiveProtectアプライアンスを選択しました。これらの製品の導入により、重要なデータと日々の運用データの両方を守る2つの保護戦略を確立することができました。

重要なデータに対しては、トヨタはActiveProtect DP7400を本社に設置して50台の仮想マシンと重要なサーバーのイミュータブルバックアップの取得を実行しています。イミュータブルバックアップの二次コピーは遠隔地のDP7400で保存され、サイバーの脅威に対する回復力を確保しています。このアプローチには複数のコピーの保持、不変性、さらにバックアップのゼロエラーが組み込まれており、3-2-1-1-0バックアップポリシーに準拠しています。

一方で日々の運用データに対しては、150台の仮想マシンが成長するストレージニーズに対応するペタバイト規模のストレージデバイス、Synology SA3410へ直接バックアップされています。内蔵されたデータ保護アプリケーションActive Backup for Business (ABB) により、SA3410は150台の仮想マシンをセキュアにバックアップし、信頼性の高いオンプレミスのデータストレージを確保します。さらに高度な保護として、Snapshot ReplicationでSA3410から遠隔地にある5つのSynology RackStationユニットに仮想マシンのバックアップを複製し、セキュリティと災害復旧への追加の保護レイヤーを提供します。

また、バックアップの役割に加えて、ActiveProtect DP7400は本社の管理サーバーとしても機能しており、単一のインターフェイスを通じてインフラのバックアップ管理を合理化します。これにより、バックアップやバックアップコピーの状況、ストレージの使用量などの日々の運用を可視化することができ、トヨタは単一のダッシュボードからバックアップインフラ全体のSLA (サービスレベル合意書)を確認できるようになりました。

クリティカルな環境にアクティブ/アクティブSANサーバーを構築して高可用性を実現

構成図2

重要なデータの最適な運用パフォーマンスとハイアベイラビリティ (HA) を保証するために、トヨタは Synology の UC SAN サーバーと拡張ユニットを企業ストレージサーバーとして導入しました。このアクティブ/アクティブ SAN ストレージは 2 つの独立したコントローラを備えており、重要な環境でも中断のない運用を確保できるように特別に設計されているため、トヨタの生産ライン特有の要求にも対応できます。

利点

バックアップコストを75%削減

ハードウェア、ソフトウェア、さらには個別のライセンスが必要とされていた過去のバックアップセットアップを置き換えたことで、トヨタは複雑さとメンテナンスにかける労力を大きく削減することに成功しました。Synologyの統合されたデータ保護ソリューションにより、IT管理が簡素化され、企業のワークロードを保護するコストが75%も削減されました。

テープ要らずのバックアップで高速かつ大規模なリカバリを実現

トヨタはテープバックアップへの依存を失くすことで運用におけるオーバーヘッドと手動でのメンテナンスを削減しました。リカバリのために複数回の読み込みが必要で、さらに組み込みの検証機能がないテープとは異なり、ActiveProtectはバックアップの完全性を検証し特定のバージョンから直接復元できるようにすることで、即時の復元と高速で信頼性の高いリカバリを保証しています。

ビジネスの回復力を強化するための包括的なソリューション

Synology の多様なアプリケーションはトヨタの既存の IT インフラストラクチャとシームレスに統合し、ビジネスを保護する信頼性の高いソリューションを提供します。オンプレミスのABBによるバックアップは企業の仮想環境を保護し、Snapshot Replicationはオフサイトの保護をさらに強化します。

ActiveProtect DP7400が追加されたことで、運用効率の改善やデータセキュリティが向上し、トヨタのシステムが強化されました。クラスターベースの管理と内蔵されたWORM (Write Once, Read Many) ストレージメカニズムにより、トヨタはサイバー脅威から重要なデータを保護し、即時の復旧を確保しました。このソリューションにより、トヨタはセキュリティとビジネスの継続性を確保しながら自信をもってストレージを拡張することができます。