はじめに
デモ、製品の推奨事項、展開に関するアドバイスを専門家にお問い合わせください。
Synology NASの包括的で使いやすい標準搭載バックアップ機能に加えて、そのサービスの高信頼性が大好きです。コストパフォーマンスもトップクラスです。これ以上、何を望めましょうか?
— Alex Wang, システムエンジニア、Interasia LinesのMIS部門
課題
海運業界はランサムウェア攻撃の標的とされています。CMA CGM、COSCO、MSC、Maerskなどの海運の大手企業は過去五年間、マルウェアの被害を受け、業務の停止や数億ドルにのぼる損害や利益の喪失に見舞われました。 スムーズな業務を確立し、ランサムウェアの脅威をかわすべく、Interasia Linesはオフサイトのバックアップインフラストラクチャの導入を決断しました。ビジネスが拡大するにつれて、Interasiaのデータも増大していきました。現在のITインフラストラクチャに適合するコスト効率のよいバックアップソリューションを見つけることは、かなり困難な作業でした。
「COVID-19のために貨物輸送の需要が増大しました。急激に増えている重要なビジネスデータを保全するために、私たちはオフサイトバックアップを急いで配備しなければなりませんでした。」と、MIS部門のシステムエンジニア、Alex Wangは語ります。
まず同社は、セカンダリバックアップを行う物理サーバーの追加を検討しました。しかし、そのためには専用スペースを追加しなければならず、ひとつしかないサーバー室はすでにいっぱいで、本社にはそのスペースはありませんでした。 同社はレンタルのサーバー室を利用した経験がなく、どのプロバイダーが同社の標準を満たすのかを評価する時間もありませんでした。
さらに、同社の他の拠点にはハードウェアソリューションを独自に導入してメンテナンスを行うだけの十分なオンサイトITプロフェッショナルがおらず、新しい物理インフラストラクチャを導入するには本社のITチームが出向いてサポートしなければなりませんでした。
ソリューション
いくつかのソリューションを比較した結果、チームは自らが抱える課題すべてにSynologyのクラウドストレージソリューションであるC2 Storageで対応することに決定しました。
SynologyのC2 Storageをリモートオフサイトバックアップ ロケーションとして使用することで、Interasiaは最悪のランサムウェア攻撃から素早く、効率的に回付することに役立つソリューションを迅速に導入することができました。何よりよかったことは、これが同社がすでに保有していたSynologyハードウェアで行えたということです。
「私たちはSynology NASを長年利用していました。「包括的で使いやすい標準搭載バックアップ機能に加えて、そのサービスの高信頼性が大好きです。」と、Wangは語ります。「SynologyがクラウドバックアップであるC2を提供していることを知った時点で私たちはすぐに、それをテストドライブすることに決めました。」
Synology NASで稼働中のファイルサービスと財務システムにおいて、Interasia LinesではSnapshot Replicationを利用してローカルバックアップを瞬時に作成し、Hyper Backupでデータを他のSynologyユニットに安全にアーカイブし、保管しています。
「Synology NASにはすぐに利用できる使いやすいバックアップソリューションが付属しています。Snapshot Replicationを例にとると、そのインタフェースは直感的で、大半の従業員は自分自身でデータを復元できるため、IT管理者の負担が減ります。」と、Wangは語ります。ただし、ローカルバックアップ対策は効率性が高いですが、システムが依然としてバックアップサーバーの物理的な完全性や企業ネットワーク全体を影響する脅威にさらされています。管理者の資格情報が漏れたような場合には特に危険です。
定期的にC2 Storageにもバックアップをとることで、複数バージョンのコピーをオフサイトに置けるようになり、この問題が解決されました。これにより企業は、「3つのデータコピーを2種類の形式でもち、そのうちのひとつを1箇所のオフサイトに保管する」という、3-2-1バックアップ原則を遵守できるようになります。
ローカルバックアップとC2 Storageの利用という2つの方法を合わせた対策により、ミッションクリティカルなデータを完全に保護でき、ローカルネットワークがダウンしたり、窃盗や自然災害に遭ってしまったりする時にも迅速にアクセスや復元が可能になります。
「私たちは、Synology C2へのバックアップとSnapshot Replicationの実行を1時間ごとに行い、 バックアップを30分ずれてとることで、Recovery Point Objective (RPO) は30分という短さで達成しています。」と、Wangは語ります。「この設定は、複数の担当者が同じファイルを短時間に編集することに役立ちました。」と、Wangは付言します。「その時、ファイルの中身がわかりにくくなったため、チームリーダーは前のバージョンにファイルを戻すと決めました。私たちは復元を短時間に行うことができ、チームメンバーが最初からやり直さずに済み、ファイルが復元されるのを待つこともありません。」
SynologyのバックアップソリューションによってInterasiaが実現した3-2-1バックアップ原則:
- 3つのデータコピー:1.Synology NASのスナップショット (A).2.別のローカルNASにバックアップ (B).3.Synology C2(C)
- 2メディアタイプ:1.ローカルSynology NAS(A、B).2.Synology C2(C)
- 1コピーを2箇所目のサイトに:Synology C2(C)
利点
「Synologyは優れたバックアップ効率をもたらします。本社での毎時バックアップでは、Hyper BackupとC2 Storageがオフサイトバックアップを12分以内に完了します。それは120人以上の従業員が別々のファイルを編集中でも同じです。」
C2 Storageの直感的なインタフェースとシンプルな操作も、バックアップ管理の効率性にプラスの影響を与えています。
しかも、「C2 Storageはファイルの復元が高速です」と、Wangは語ります。
「Snapshot Replicationを使用するようになってずいぶん経ちますが、このバックアップと復元は、これまでに試した他のソリューションに比べて圧倒的に速いと言えます。インタフェースが直感的なので、復元処理はさらに素早く行えます。」
オフサイトソリューションを評価していた最初の段階で、Interasia LinesはGoogleやDropboxといった一般的なクラウドストレージサービスをテストしました。結果は、C2 Storageは劣らない機能を持ちながら価格がさらに競争力があります。
「本社では3TBのデータストレージが必要だったため、C2 Storageは他のクラウドソリューションよりも安価でした。」と、Wangは語ります。
C2 Storageを採用するもうひとつの重要なポイントは、Synology NASシステムと完璧に統合されているという点です。IT担当者はバックアップスケジュールを一度設定するだけで、自動化されたタスクステータスの通知は簡単に設定できるため、ITの負担が軽くなります。
「Synology NASに保存されたデータに対して、C2は、間違いなく最良のクラウド バックアップ ソリューションです。」と、Wangは語ります。
台北の本社以外では、高雄市と台中市にあるInterasiaのオフィスをはじめ、同社の海外支社もSynology NASのファイルサービスを利用しています。以前は本社がローカルオフィスに対してサポートを提供する必要がありましたが、今ではほとんど独立しています。
「私たちはSynologyのバックアップアプリケーションに満足しています。今後もC2のサブスクリプションを継続する予定ですが、日本、シンガポール、インド、その他の支社でのデータもカバーするように徐々に展開を拡大していきたいです。」
Interasia Linesは1967年より、日本、シンガポール、中国、香港、台湾、インド、タイ、韓国などアジア太平洋地域で海上コンテナ輸送サービスの高信頼ネットワークを構築してきました。 Interasiaは、1960年代のコンテナ輸送の先陣を切ってきました。同社は、信頼性の高い高品質なサービスを同社の顧客に提供しながら、商域の拡大とイノベーションに継続して取り組んでいます。
同社は長年、Synology NASをファイルサーバーおよびストレージサーバーのソリューションとして展開し、同社の財務システムのサーバーとして利用してきました。Synologyシステムを使用することで、台北の本社に勤務する120名以上の社員に向けて、高信頼性インフラストラクチャが構築されました。
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