霧島酒造株式会社

「データセンターの方から紹介いただいたRS814+をテストしてみたところ、コストパフォーマンスに優れ、もっとも重要視していた保守・メンテナンスの態勢も良かったことから導入に至りました。」 霧島酒造株式会社管理本部システム管理課 堀之内茂幸氏

会社

霧島酒造は、大正5 年に創業。創業以来一貫して品質にこだわった焼酎造りを行っております。南九州の風土で育まれたさつまいもと地元都城の名水「霧島裂罅水」を用い、伝統の技と最新設備を融合させて造ることで"霧島ブランド"を確立しました。"人と風土の醸すもの"。これからも更なる品質の追求とともに、新たな価値の創造を目指してまいります。代表銘柄は「霧島」、「黒霧島」。

課題

情報系・製造系のディザスタリカバリーシステムを構築

この霧島酒造のデータバックアップ用の共有ディスクとしてSynology RackStation RS814+が導入され、2014年度から本格運用され始めた。

「プライベートクラウド環境を活用し始めたのは2010年くらいからです。クラウドとサーバを併用した形で社内システムを構築して来ました」と話すのは、管理本部システム管理課の堀之内茂幸氏だ。「社内システムのバックアップは、社内サーバを使用して行なって来ました。これまではバックアップをとるだけの運用でしたが、遠隔地におけるデータ共有/保管やヂィザスタリカバリー(災害被害や障害からのデータ復旧)を行なえる環境の構築が必要になって来ました。今回、ディザスタリカバリーのサイトに活用するiSCSI共有ストレージとして、Synology RackStation RS814+を導入しました。ストレージ環境は、コストをかけるほど使い勝手が良く性能も良いものを構築することができると思いますが、今回はディザスタリカバリー用の導入であり、本サイトと同じコストはかけられません。しかし、安価な製品を導入するのには不安もあります。データセンターの方から紹介いただいたRS814+をテストしてみたところ、コストパフォーマンスに優れ、もっとも重要視していた保守・メンテナンスの態勢も良かったことから導入に至りました。」

霧島酒造では、2013年にディザスタリカバリーのサイト構築の設計を行ない、バックアップシステムの検討も行って来た。2014年1月にRS814+の導入を決定し、データセンター内にディザスタリカバリーシステムをバックアップシステムも含めて構築した。今回構築したディザスタリカバリーシステムでは、社内情報系システムと製造系システムのバックアップがなされている。RS814+は2TBディスク×4台で構成し、RAID 5で6TBとして利用している。


ソリューション

マニュアルを読まずに簡単設定

霧島酒造の拠点は、東京・大阪・福岡・宮崎の4支店に加え、仙台・名古屋・広島・北九州・熊本・大分・延岡・沖縄の8 カ所に駐在所がある。これらすべての拠点の社内システムの運用/管理を、システム管理課ので行なっているのだという。そのため、設定に時間がかからないことは大きなメリットだと、堀之内氏は言う。

「製品を比較検討する上で重要な要素には、感覚的に設定を進められ、簡単に設定を終えることができるかどうかという点があります。実際にログインして使い始めてみると、管理画面などのインタフェースが分かりやすく、マニュアルを読み込まなくても簡単に設定ができたことには驚きました。分厚いマニュアルを調べながらでないと設定できないSE泣かせの製品も多いなか、RS814+は、ファーストステップの1枚の手順書でディスク搭載方法や接続方法が分かり、あとはログインさえすれば見やすい日本語のユーザーインタ フェースが表示されます。製品が到着したその日に最小構成のシステムを構築できたほどで、とても扱いやすい製品でしたね」

これまでは地方拠点からも本社サーバにアクセスしてデータを参照する集中型のネットワーク運用だったが、今回のシステム構築では、本社も拠点の1つと考え、データセンターを中心としたネットワーク運用へと移行した。

「ディザスタリカバリーシステムを構築し、RS814+にバックアップがとられるようにしたことで、どの拠点からも本サーバを経由せずにデータ参照をすることが可能になりました。実は、ネットワークに障害が発生してデータ参照できなかったため、商品の出荷が止まってしまったという経験があるんです。今回の導入で、障害時にも安心して営業を継続できるようになりました」

利点

拡張性に優れたSynology RackStation

堀之内氏は、Synology製品は、設定のしやすさだけでなく、パフォーマンスや拡張性に優れた製品であることも魅力だと話した。「今回のシステム構築では、iSCSI接続で、複数のクラスタから同時にアクセスしてディスクを共有するパフォーマンスに絞って検討しました。最近のNAS製品は高機能ではあるのですが、OS部分にパフォーマンスが割かれてしまって、活用したい機能部分で充分に性能が得られないことがあります。RS814+は、不要な機能を省いておき、機能が必要になってから追加することができるので、パフォーマンスを最大限に生かすことができました」

サーバアクセスする端末は400台ほど。そのうち普段同時に利用するのは20ユーザーほどだという。

「もっともアクセスが多いのはグループウェアだと思いますが、本サイトに障害が発生してディザスタリカバリーサイトで運用する場合においても、同時に200ユーザーくらいだと考えています。本サイトの復旧に1日かかったとしても、Webベースのアクセスなので、充分なパフォーマンスであると考えました。」

Synology RackStationは、ストレージを拡張したり、ディスク容量を増やすためのRAID自動管理システムSynology Hybrid RAIDを搭載している。

ディスク容量が不足して追加したいという場合に、データ移行することなく容量が拡張できる。

デスクトップモデルDS214+でモバイル運用をテスト中

霧島酒造では現在、全国の営業拠点でのデータ活用や、社内の部署ごとのデータ共有用に、デスクトップモデルのData Station DS214+を検討している。

「社内では、ローカルディスクにはデータを置かず、クラウドに保存することにしています。しかし、大容量ファイルや頻繁に必要となるファイルについては、部署ごとにNASを設置してデータを共有化しています。」

霧島酒造では、営業ツールとしてiPhone/iPadなどの端末も150台導入している。得意先からグループウェアにアクセスしたりデータを参照したいという要望も出て来ているようだ。

「広報や営業支援の活動をする企画室では、広告に使用するPhotoshopやIllustratorのファイルをはじめ、CMの動画ファイルなどを扱っています。大容量であるために部署のNASに保存しているのですが、内容の確認のためには、本社に戻る必要がありました。動画ファイルをクラウドに置けば、出張中であっても開くことはできるのですが、コマ落ちなどもあり確認しづらかったんです。DS214+にはストリーミング機能も設定できますので、ツールとして活用できないか検討していきます」

中央管理システム

増加するデータの管理についても、RS814+に搭載されている中央管理システム機能(CMS)を活用することで解決することができそうだ。中央管理システム機能は複数台のSynology製NASをRS814+から一元管理するもので、LAN/WANに接続されたNASのファームウェア更新やHDDの健康状態チェックをRS814+経由で行う事が可能だ。また、SynologyのNASに既存のファイルサーバーをマッピングする事も可能だ。

「RS814+に目的のファイルが保存されていなくても、部署内に置かれたDS214+にある共有フォルダをマッピングできます。これまではクラウド上にファイルを利用するためにはコピーする必要がありましたが、この機能を使えば、事前にコピーする作業無く、外出先や各拠点から部署内のファイルにアクセスすることが可能になりますね」

堀之内氏は、「SynologyのソリューションはNASだけに利用するのはもったいない」とも話す。今後は、機能を追加することでWebサーバ、DBサーバ、ストリーミングサーバなどに活用できることから、必要に応じて機能を追加/削除して専用ハードウェアとしても活用していく。

推獎モデル

  • RS814+
  • DS214+

推奨機能

  • ディザスタリカバリーシステム
  • 拡張性に優れたSynology RackStation
  • 中央管理システム
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