事例研究

ヌーベルバーグはSynologyのオールフラッシュソリューションでライブ配信を実現し、録画データの管理を改善


今までは撮影したカメラに対応している専用のメディア(SDカードやS×Sディスクなど)を事前に用意いただき撮影を開始していたが、今はとりあえずSSDお持ちいただければ映像をコピーしてお客様にお渡しでき、大変好評をいただけています

株式会社ヌーベルバーグ 代表取締役副社長 池田正義氏

信頼性・速度・運用効率――配信業務に立ちはだかる課題群

「FUJI ROCK FESTIVAL 22」では、合計9つのステージが用意され、そのうち4つの主要ステージの配信を撮影し、FUJI ROCK 公式YouTubeチャンネルでの配信を行うこととなったが、そこには3つの大きな壁があった。

1点目は信頼性である。FUJI ROCKは日本最大級の音楽フェスであり、絶対に失敗は許されない。「もしデータが消失してしまったら」や「もしひどい遅延が発生したら」など起こり得るであろう様々な不安に対して、最大限リスクを減らすことができるよう、とにかく高性能で信頼のできる収録サーバーが必要不可欠であった。

2点目は速度である。YouTubeへのディレイ配信を行う過程で追っかけ編集も発生する。大型イベントは時間指定があり、撮影された映像をいち早く編集し、YouTubeのディレイ配信に間に合うよう、なるべく高速でデータのやり取りを行う必要があった。

3点目はスタジオ収録時に発生するデータの受け渡し方法についてである。カメラに対応するSDカードやS×Sディスクをお客様にご用意していただき、そのデバイスを用いて撮影を行っていた。この映像への物理的な受け渡しから、NAS上で一度動画を保存し、保存された動画をコピーする形でお客様へ映像を渡すという方法への切り替えは、操作方法やお客様が理解いただけるかなど、導入難易度は高かった。

フジロック配信成功を支えたFS6400の技術的優位性と導入効果

信頼性、速度、新規システムの導入難易度、全ての課題をFS6400は解決した。
 
FS6400はエンタープライズ向けのNASであり、2つのIntel Xeon Silver 4110 CPUを搭載し、メモリを最大512GBまで拡張することができる。今回は合計メモリ数192GBを用意した。さらに搭載するSSDにも、エンタープライズモデルのSynology純正のSAT5210-1920Gを24台使用した。NAS及び搭載するSSDをSynology純正のもので統一することで信頼性をさらに高め、データ消失のリスクを最大限軽減して使用することが可能だ。
 
また速度に関してもオールフラッシュモデルであるFS6400を使用することで、macOSへデータをコピーする速度を高速化させた。FS6400は25GbEのNICを拡張することができ、高性能SSD、高性能CPU、大容量メモリを搭載することでパフォーマンスを最大限高めて利用することができる。
 
導入難易度に関してもSynologyは解決した。現在はFUJI ROCKで使用したFS6400を2022年度オープンしたばかりのスタジオの録画ストレージとして導入しているが、録画データの受け渡し方法は従来の商慣習と大きく異なる。従来はカメラ等の撮影機材はスタジオ側が提供し、カメラ毎に対応する物理的なSDカードやS×Sディスクはお客様が用意する。そして撮影後はその録画デバイスをお客様に返却する形であった。ただし今回スタジオに導入されたNASに録画されたデータをコピーして、お客様に渡すという方式は既存のスタッフがやり方を理解するのに時間がかかるのではないかという懸念があった。しかし新方式によるデータの受け渡しは、スタッフ及びお客様に大好評であった。Synologyの分かりやすく直感的なUIはすぐに社内で受け入れられた。また中江氏は「今までは事前にお客様にどのくらいの容量のカメラに対応するデバイスを持ち込むよう、詳しく説明する必要があったが、今はとりあえずSSDを持ち込むよう連絡するだけでよくなり、お客様の負担も減り好評だ」と語る。
 

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操作性の継続性がもたらす導入ハードルの低減

Synologyを選択した最大の利点は容量や用途に合わせた豊富な製品ラインナップだ。
 
実はFUJI ROCK 21ではDS1821+を使用していたが、その際にもう少し高速でデータのコピーを行いたいと感じ、FUJI ROCK 22ではFS6400の導入に踏み切ったと池田氏は語る。Synology製品はDSMというOSを使用し操作を行うが、モデルが変わっても基本的に操作方法は同じのため、事業成長等でNASを新規に導入したとしても操作方法を新たに学びなおす必要はない。お客様は容量やハードウェアスペックなど必要に応じたモデルを気軽に導入可能だ。
 
またヌーベルバーグはスタジオの収録を専門に行う会社のため、お客様に撮影データをお渡しした後は基本的にそのデータを保存する必要はない。ただ何かあったときのためにデータを残しておきたいというニーズは常に存在する。池田氏はHyper BackupやActive Backup for BusinessなどのFS6400に追加費用無しでインストールできる豊富なバックアップパッケージを使用し、もしお客様がデータのなくしてしまった際にバックアップデータからいつでも復元できる状態を構築していきたいと語った。
 


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顧客について

ヌーベルバーグはスタジオ収録やロケ撮影、配信業務やイベント収録を行うテレビ番組制作や配信イベントのプロフェッショナルである。日本テレビとの技術協力を長く行ってきた経緯を持つ同社は、現在も様々な人気番組の収録業務を担っている。「月曜から夜更かし」や「ZIP!」や「24時間テレビ」など、誰もが聞いたことのある番組制作はヌーベルバーグの収録技術に支えられている。
 
さらに同社はテレビ収録で磨かれた技術をライブ配信事業にも活用している。2020年以降、自宅にいる時間が大幅に増えた社会となりゲーム業界は大きな賑わいを見せており、eスポーツの大会は爆発的な盛り上がりとなっている。様々なライブ配信イベントを成功させてきた同社は、4大音楽フェスの一つ「FUJI ROCK FESTIVAL」の配信業務を2021年度より任されている。
 

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