信頼性、速度、新規システムの導入難易度、全ての課題をFS6400は解決した。
FS6400はエンタープライズ向けのNASであり、2つのIntel Xeon Silver 4110 CPUを搭載し、メモリを最大512GBまで拡張することができる。今回は合計メモリ数192GBを用意した。さらに搭載するSSDにも、エンタープライズモデルのSynology純正のSAT5210-1920Gを24台使用した。NAS及び搭載するSSDをSynology純正のもので統一することで信頼性をさらに高め、データ消失のリスクを最大限軽減して使用することが可能だ。
また速度に関してもオールフラッシュモデルであるFS6400を使用することで、macOSへデータをコピーする速度を高速化させた。FS6400は25GbEのNICを拡張することができ、高性能SSD、高性能CPU、大容量メモリを搭載することでパフォーマンスを最大限高めて利用することができる。
導入難易度に関してもSynologyは解決した。現在はFUJI ROCKで使用したFS6400を2022年度オープンしたばかりのスタジオの録画ストレージとして導入しているが、録画データの受け渡し方法は従来の商慣習と大きく異なる。従来はカメラ等の撮影機材はスタジオ側が提供し、カメラ毎に対応する物理的なSDカードやS×Sディスクはお客様が用意する。そして撮影後はその録画デバイスをお客様に返却する形であった。ただし今回スタジオに導入されたNASに録画されたデータをコピーして、お客様に渡すという方式は既存のスタッフがやり方を理解するのに時間がかかるのではないかという懸念があった。しかし新方式によるデータの受け渡しは、スタッフ及びお客様に大好評であった。Synologyの分かりやすく直感的なUIはすぐに社内で受け入れられた。また中江氏は「今までは事前にお客様にどのくらいの容量のカメラに対応するデバイスを持ち込むよう、詳しく説明する必要があったが、今はとりあえずSSDを持ち込むよう連絡するだけでよくなり、お客様の負担も減り好評だ」と語る。
